OpenSSL開発環境の準備

貴方が開発者の場合、ソースコードからビルドの一択。
理由は自分の開発したコードをデバッガでステップ実行した際に、OpenSSL関数の内部に直接飛べる事が開発時間短縮に繋がるからです。

以下、OpenSSL 3.4.1を64-bit Windowsにインストールする手順です。

1. ソースをダウンロード

ソースコードを入手。7-zipで展開します。
展開したファイル内のinstall.mdにインストール方法が記載されています。

2. Perl 5の導入

新規導入であればOpenSSL開発チーム推奨のStrawberry Perlが良いでしょう。
MSI形式を選択。バージョンは5.40.0.1を導入し、テスト。

C:\>perl -version
This is perl 5, version 40, subversion 0 (v5.40.0) built for MSWin32-x64-multi-thread

3. NASMの導入

64-bit版のMSIを選択。動作テスト。

C:\>nasm -version
NASM version 2.16.01 compiled on May 3 2024

4. Visual Studio 開発者コマンド プロンプトの起動

Visual Studio 2022 環境であれば以下にあります。x64でビルドするため、下記を実行。

C:\>"C:\Program Files\Microsoft Visual Studio\2022\Professional\VC\Auxiliary\vcvars64.bat"

上記が存在しない場合、Build Tools for Visual Studio 2022をダウンロードしてインストールします。

5. OpenSSLのビルド（デバッグ版／リリース版）

OpenSSLの展開先に移動。下記を順番に実行し、デバッグ版をビルド。
リリース版とインストール先が混ざらないようにディレクトリを細かく指定します。

C:\openssl-3.4.1>perl Configure VC-WIN64A --debug --openssldir=C:\OpenSSL\vc-win64a\SSL --prefix=C:\OpenSSL\vc-win64a\Debug
C:\openssl-3.4.1>nmake

ビルドが通らない場合は全ての工程で64-bitを選択し、ビルドしているか再確認してください。

次は正しくビルドできたかテスト。

C:\openssl-3.4.1>nmake test

テストが上手くいった場合には下記のように「PASS」表示がされます。

All tests successful.
Files=325, Tests=3600, 904 wallclock secs ( 1.31 usr + 0.09 sys = 1.41 CPU) 
Result: PASS

最後に下記で配置します。

C:\openssl-3.4.1>nmake install

リリース版も同様に作ります。

C:\openssl-3.4.1>perl Configure VC-WIN64A --openssldir=C:\OpenSSL\vc-win64a\SSL --prefix=C:\OpenSSL\vc-win64a\Release
C:\openssl-3.4.1>nmake
C:\openssl-3.4.1>nmake test
C:\openssl-3.4.1>nmake install

開発に必要なヘッダファイルは下記に配置されます。

C:\OpenSSL\vc-win64a\Debug\include
C:\OpenSSL\vc-win64a\Debug\lib

C:\OpenSSL\vc-win64a\Release\include
C:\OpenSSL\vc-win64a\Release\lib